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by 5oxpnsvf9u

【論説委員の取材ノート】高畑昭男 長官がくれた?スクープ(産経新聞)

 日米が共同開発したミサイル防衛(MD)は、北朝鮮の核やミサイルの脅威を防ぐ上で欠かせない。能力や性能には不満でも、構想自体に反対する人はまずいないだろう。だが、MDの前身にあたるSDI(戦略防衛構想)が発表されたころはそうでもなかった。

 1985年2月。真冬のロンドンを思いだす。「確かに『ジャパン』と言ったんだ」と白い息をはいて支局へ戻り、冷たいテレックスのキーをたたいた。

 この日、訪英したレーガン米政権のワインバーガー国防長官が、同盟諸国にSDIの共同研究参加を呼びかける記者会見を開いた。

 長官は「欧州や太平洋の同盟国」と言ったが、声がボソボソして聞きにくい。手を挙げて「日本にも声をかけたか?」と尋ねた。

 長官は一瞬、「なぜそんな当たり前のことを?」とけげんそうな顔をした後、にこっと笑って「日本やイスラエルなどにすでに参加を要請した」と言った。

 会場には他社の記者もいたが、よく聞こえなかったらしい。結果的に「米が日本にSDI研究参加を要請」の記事は朝刊1面の特ダネとなり、日本の政界にも反響を引き起こした。

 当時、「共同研究はソ連を刺激する」などの理由で欧州側も及び腰だった。日本の外務省も「そんな要請は初耳だ」と私の記事に知らん顔をした。英、西独などに続いて、日本が研究参加を正式に決めたのは2年もたってからだった。

 10年後に米国に赴任し、悠々自適のワインバーガー氏に親しく会う機会があった。

 「おかげで特ダネになりました」と話したが、本人は「?」。私を覚えているはずもなかった。

 それでも、「日本とずっとよい同盟でいたいね」と語り、10年前と同じ笑顔を見せた。氏は今から4年前に世を去ったが、あの要請がなかったら、日本のMDもどうなっていただろうかと考える。

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by 5oxpnsvf9u | 2010-06-12 01:43